がんの中で死亡者数1位である「肺がん」の特徴と死亡率

「肺がん」はがんの中で最も死亡率の高いがん

肺がんの脅威

日本人の死亡原因の第一位が脳血管疾患や心疾患などを追い抜き、がんになったのは1981年のこと。それ以来がんによる死亡者数は増加の一途をたどってきました。

その中でも特に「死亡率」が高いのが肺がん。もともと肺がんはアメリカやフランスといった欧米諸国でよく見られた疾患で、日本ではあまり多くありませんでした(日本で多かったのは胃がん)。そんな肺がんが今、日本でどれだけの脅威になっているのかを改めて見つめ直してみましょう。

がんによる死亡者数の20%を超える肺がん死亡者数

がんの部位別死亡者数

肺がんは日本では1970年代頃から徐々に増え始め、1993年には肺がんによる死亡者数が胃がんを抜いてトップになりました(男性の場合)。その後もその数は年々増え続け、2014年のがんの部位別による死亡者数のデータでは、肺がんによる男性死亡数は52,505人、がんによる死亡総数のうち約25%を示すほどになりました。すなわち、がんにかかった男性の約4人に1人が呼吸器を含む肺がんで亡くなっているということに。

これは男性に限った話ではなく、女性の場合も肺がんによる死亡者数は非常に多いことが上記のデータからわかります。

部位別に見た死亡者数の多さ

がんを部位別に見た時の死亡者数に順位をつけると

男性の場合は
1位:肺がん 2位:胃がん 3位:大腸がん

女性の場合は
1位:大腸がん 2位:肺がん 3位:胃がん

というような並びになり、男女計で見た時には
1位:肺がん 2位:大腸がん 3位:胃がん

の順になります。

罹患者りかんしゃにおける死亡者の割合は肺がんがトップ

罹患者りかんしゃとはその病気にかかっている患者さんのこと。がんの罹患者数について見ていくと、2014年の「最新がん統計」のデータでは男性の罹患者数のトップは胃がんとなっており、次に大腸がん、肺がん…..と続いていきます。一方で死亡者数のトップはやはり肺がん。この意味するところは、肺がんは胃がんに比べて治癒率が低く、罹患者数に占める死亡者数の割合が多いということです。

胃がんにおいては早期発見例の増加や治療法の目覚ましい改善があった一方で、肺がんは今でも早期発見が困難かつ、有効な治療法が限られている状態が続いています、それ故に胃がんに比べて罹患者数に対する死亡率が高い状況が続いているのです。

「治りにくい」とされる肺がん

肺がんは難治がん

肺がんはがんの中でも治療が難しい「難治がん」と呼ばれており、そこには4つの理由が関わっています。

①自覚症状が乏しく、早期発見が難しい

まず第一に病気としての自覚症状に乏しく、発見された時にはすでに病状がかなり進んでいる場合が多いことが挙げられます。他のがん、例えば乳がんなどでは乳房のしこりなどの特徴的な初期症状があるものも多いのですが、肺がんの場合はこれといった特有の症状がほぼなく、多くの場合かなり進行するまで無症状のままのケースが多いと言えます。

現在では「肺がん検診」を早期発見のために積極的に行うことが勧められており、自覚症状に乏しいから気付けない……というケースが少なくなるような施策が取られています。

②進行が早い

がんは体のどこにでも発生する可能性がある病気ですが、発生した部位によって、また患者の年齢・体質によってがんの性質・発育や増殖の仕方、転移の仕方は変わってきます。そうしたがんの部位による性質の違いを見比べた時、肺がんは他のがんに比べて進行が早く、他の部位に転移しやすいという特徴を持っています。

その理由としては「肺」という臓器が持つ特殊な働きが関わっています。私たちの身体を流れる血液は必ず肺を通り、炭酸ガスを捨てて酸素をもらって心臓へ戻り、そこからまた全身に送り出される……という仕組みになっています。すなわち肺とは体中の血液が集まって、出ていく臓器なのです。そのため、血液の流れに乗ってがん細胞が全身に広がっていきやすく、進行が早くなってしまいます。

③有効な治療法が少ない

肺がんの治療にあたっては大きく分けて「手術」「放射線治療」「抗がん剤治療(化学療法)」があり、これらの治療を単独、もしくは組み合わせて用いることとなります。また、手術や放射線治療はある一定の範囲への治療効果が期待される「局所治療」、抗がん剤治療は経口投与・点滴を通した全身への効果を及ぼす「全身治療」にあたります。

この中で、手術による切除が可能で治癒が望める患者は平均して40%程、もちろんその40%の患者の全員のがんが治癒するわけではありません。
一方で放射線治療や抗がん剤治療は有効性が低く、治療成績の向上に繋がりにくいのが現状です。60%に当たる患者が受ける治療法の有効性が低いこと、これが肺がんを難治がんたらしめている大きな原因ということができます。

④専門医が不足している

他のがんに比べて手術による外科的治療で治癒する患者が少ない病気と言える肺がん、それ故に抗がん剤治療を行う内科、放射線治療を行う放射線外科との連携が不可欠です。しかしこれらの方法は治療成績が上がりにくく、積極的にこの分野での専門性を高めたいという医師は多くないのが現状です。また他科との連携が不可欠な治療は、縦割り意識の強い医療体制であった場合は治療に遅れが生じやすく、肺がん治療の成績向上の妨げになります。

 

がんの中でも特に警戒すべき肺がんの脅威。その脅威から有用性のはっきりしない新薬や健康食品なども数多存在しますが、何より大事なのは専門医の意見をしっかりと聞きその予防・治療に努めること。その特徴と実態をしっかりと知った上で肺がんに向き合っていきましょう。

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