肺がんはあるの?ないの?がん細胞の有無を検査する存在診断

肺がんの存在診断とは一体…?

 

自覚症状などを感じ、いざ病院の検診を受診する際に登場するのが「存在診断」です。肺がんが患者の体の中にあるか否かを初めに判断するための何より重要な診断です。この存在診断では胸部X線写真やCTなどを用いて行われることが一般的ですが、それらの検査法について、またそれ以外の検査法についても詳しく学んでいきましょう。

存在診断で最も一般的な胸部X線検査

胸部X線検査は一般的にレントゲン写真と言われているものです。胸部X線写真には、直接写真と間接写真があり、病院や診療所で取られるものは直接写真で、ほぼ実際の体と同じサイズで映ります。学校や職場に検診車が来て取られるものの多くは間接写真といって、12cm四方ぐらいの小さなフィルムに映したものです。

X線写真の撮り方としては、写真フィルムの入ったカセットの前に立ち、胸を押し付けて背中側の約1m離れたところからX線を照射します。レントゲンというドイツ人によって19世紀の終わりに発見されたX線は電磁波の一種で、物質を透過し写真のフィルムを感光させる性質を持っています。この時、通り抜ける物質によってX線は吸収されエネルギーが下がり、その写真にはX線が通り抜けてきた体の部分によって濃淡ができます。この画像の濃淡によっては肺に異常があるかどうかを判断するのです。
ただし、レントゲン撮影で病変部が影として映る病気は結核や肺炎を初め、専門家でさえ覚えきれないほど数多くあります。また、影が映ってないからといって肺がんがないという証明にはなりません。そう言った事実を頭に入れた上で胸部X線検査を受診することも重要です。

胸部CT検査

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胸部CTスキャンとも言われているCT検査、CTはComputed Tomographyの略です。X線を使って多方向から人体内部のX線透過量の違いを計測し、その情報をコンピューターが処理して、人体の断層像を作り出す検査です。簡単に言うと、X線写真が立体であるからだを平面の写真に投影しているのに対して、CT写真はからだを輪切りにした断面図です。

CTの撮り方

CTを撮るときは、移動可能なベッドに横たわって大きな輪の中に入っていきます。この輪の内部にX線管とその検出器があり、からだの周囲を高速で回転します。そして、からだを通ったX線の情報をコンピューターが高速で処理して画像を構築する仕組みになっています。原理的には、1回回るごとに1枚のからだの輪切りの像ができます。しかし、最新の多検出器型CT(マルチスライスCT)では、1回の回転で4~64枚程度の画像を一度に作成することができます。

CT写真を見ると、肺がんの原発巣の様子や、リンパ節への転移状況などが概ねわかります。特に、縦隔じゅうかくにあるリンパ節の状態は普通の胸部X線写真では心臓や大血管の陰になって見えにくいのですが、CTでは明瞭に確認することができます。通常、CTで輪切りにしていく断面の厚みは1cmですが、高分解能CTと呼ばれる撮影方法では、0.5~2mmという薄い層の画像を作ることができるため、より微細な病巣の情報が得られるようになりました。

診察室で見せられるCT写真はこれらの像を通常のフィルムに出力したものです。胸部CTの場合は、足元から見た形で撮影しているので向かって左が自分のからだの右側になります。

ヘリカルCTとマルチスライスCT(多列検出器型CT)

ヘリカルCTのヘリカル(helical)とは、らせん状という意味です。X線が体の周囲をらせん状に連続回転しながら、短時間にスキャンする検査方法です。

従来のCT検査では、画像を1枚取るごとにベッドを移動させるのですが、この時呼吸によって画像の位置がずれてしまうという問題点がありました。画像の乱れを防ぐために、何度となく息を止めて撮影していましたが、息を止めるたびに画質にばらつきが生じ、微小な肺がんが検出できないという弊害を生むことにつながってしまいました。
これを防ぐためには1回呼吸を止めている間に一気に全体を撮影する必要があります。ヘリカルCTは撮影に要する時間が大変短いため、1回息を止めるだけで全肺野を撮影することができるようになり精度が向上しました。

2000年に登場したマルチスライスCTはヘリカルCTをさらに進化させた装置です。(シングル)ヘリカルCTでは、X線管球と検出器が一回転すると、1枚の画像ができました。しかしマルチスライスCTでは、1回転で同時に4~64枚の画像ができるため、さらに高速かつ薄い高精巧な画像を作成できるようになりました。このマルチスライスCTの登場によって、従来のヘリカルCTは、シングルヘリカルCTと呼ばれるようになりました。

CT画像の種類

診察室で胸部のCT写真を見せられる際、黒っぽいものと白っぽいものがあることに気づくことと思います。白い方を肺野条件、黒い方を縦隔じゅうかく条件といい、同じデータをこの2種類の出力方法で見せています。

なぜこのようなことをするかというと、病気の診断を行うためには見たいものをある程度強調して画像を読影する必要があり、そこで肺の中の細い血管、気管支、肺方などを評価するためにその部分を良く見えるようにフィルムに出力し、全体的に白っぽく見えるのが肺野条件です。一方、心臓、大動脈、リンパ節、食道、脊椎などが集中している縦隔じゅうかくの状況を確認するために出力し、全体的に黒っぽく見えるのが縦隔じゅうかく条件です。

胸部MRI検査

胸部X線検査、CT検査の他に採用されることがあるのが胸部MRI検査。MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略で、磁気共鳴画像法を意味します。X線ではなく磁場を一定方向にかけ、その中にある物質の原子の状態を感知して、画像を構成する画像診断法です。

MRIは、どのような方向からでも断層像を得ることができます。このため、病気の周囲との関係や広がりを見るのに役立ちます。

X線検査やCT検査と比べて放射線被曝がないなどのメリットがありますが、強い磁場をかけて計測を行うためペースメーカーや脳動脈瘤クリップなどを使用されている方は計測が出来ません。また、肺の検査ではCT検査の方が有効な情報量が多いため、MRI検査は必ず行われるわけではありません。MRIもCT同様、放射線診断の専門医による読影が必要になります。

腫瘍マーカー

腫瘍マーカーとは癌があるかどうかの目印となる物質の総称で、血液を採取して調べます。がん診療において頻繁に使われるものなので、耳にしたことがある方も少なくないかなと思います。

がん細胞が作り出す特殊な物質、あるいはがん細胞と反応して体内の正常細胞が作る特殊な物質(たんぱく質、酵素、ホルモン)は、血液中に放出されることがあります。この特殊な物質を腫瘍マーカーと呼び、血液中の腫瘍マーカーを検出して測定した時に高い値が得られれば、がん細胞が体内に存在する可能性があることになります。ただしすべてのがん細胞が腫瘍マーカーを作るわけではありません。腫瘍マーカーの上昇は癌の存在を示しますが、癌が進行していても腫瘍マーカーが上昇しない場合もあるため、補足的に活用することが多いと言えます。

肺がんの場合ではCEA、SCC、CA19-9、シフラ、ProGRPなどの腫瘍マーカーがあり、この中で腺がんは CEA、CA19-9、小細胞肺癌はNSE、ProGRP、扁平上皮がんはSCC、シフラという腫瘍マーカーの有用性が高いとされています。

 

存在診断を通して癌の有無をしっかりと判断することが肺がん治療の最初の一歩です。信頼のおける病院・医師の元で肺がんの存在診断を受けましょう。

 

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