がん細胞が「ある」ことを確認する確定診断とは一体?

がん細胞があるかもしれない…という推定を確定的なものへ

存在診断を経て、次に行われるのが「がん細胞があるかもしれない」という推定を「本当にある」と認めるための確定診断。この時には存在診断で主に行われた画像診断などより精密な検査方法を用いることになります。この確定診断に関してはかなりの正確性が求められるものであり、受診するクリニックに関しても熟考することが求められます。

確定診断で採用される判定方法

肺がんの確定診断で採用される判定方法としては、主に細胞診と組織診の2種類があります。これらはともに「生検(バイオプシー)」と呼ばれ、細胞や組織の一部を採取して調べる方法です。

細胞診とは、細胞一個一個、または細胞の小集団を顕微鏡で観察して、がん細胞の有無を調べる検査です。細胞診には、痰の中に含まれている剥がれてきた細胞を調べる喀痰細胞診かくたんさいぼうしん、気管支鏡を使ってはがしてきた細胞を調べる擦過細胞診さっかさいぼうしん、針を刺して吸引してきた細胞を調べる経皮的針穿刺法けいひてきはりせんしほうなどがあります。いずれも細胞をアルコールで固定し、パパロコニー染色という方法で染めて顕微鏡で見ます。細胞の並び方を判断することは困難で、主として細胞の大きさ、形から判断します。一方の組織診とは、検査、あるいは手術で取ってきた組織の切れ端や小片をホルマリンで固定し、薄く切った後、H-E染色(ヘマトキシリンと、エオジンという色素を使用)して顕微鏡で見ます。細胞の大きさ、形、並び方などを総合的に判定します。別の特殊な染色を追加して使って、さらに詳しく調べることもあります。

これらの診断は、細胞診や組織診を行う病理医と呼ばれる専門医が行います。通常、診断が確定するまでには1~2週間程の時間を要します。

基本的に、より患者さんの負担が少ないのは「細胞診」です。しかしそれだけでは確定診断の材料としては不十分であるため、がんの疑いのある組織を採取し、その組織の状態からがんを診断する組織診も必ず受けることが必要となります。その意味で、どちらの方式の検査も受けることが重要となります。

喀痰細胞診かくたんさいぼうしん

肺は、気管支が枝分かれしてできている組織であることと、肋骨に囲まれていて手術が容易でないことから胃や大腸に比べて組織診がやりにくい臓器です。その代わり、がん細胞がはがれ落ちると単に混じることがあるという特徴があります。この剥がれ落ちて痰に混じったがん細胞を検出しようとする方法が、喀痰細胞診かくたんさいぼうしんです、血痰、痰、継続する咳などの呼吸器症状を訴える患者さんに対して必須の検査です。特に、太い気管支に発生した肺門部の早期肺がんでは胸部X線写真に異常がないことが多く、喀痰細胞診かくたんさいぼうしんが発見手段となります。

検査の手順は、朝起きてすぐ採取した喀痰かくたんを、容器に入れて乾かないようにして提出するだけです。これを専門の病理医が検査でチェックするという手順になります。調べる方法は、検体(痰)をスライドグラスに伸ばしてアルコールで固定し、染色して顕微鏡で観察し、怪しい場合は病理医が確認します。苦痛のない簡単な検査ですが、肺がんがあれば必ず痰にがん細胞が混じっているというわけではないため、最低3回はこの検査を受けることが必要と言われています。

医療施設から遠方の人、忙しい人などには3日分の痰を自宅で検査容器に採取して郵送し検査してもらう…という方法もありますが、どうしても細胞が変性するために少し見にくい標本になってしまうという問題点もあるようです。

気管支鏡検査

気管支鏡検査とは、気管支の内視鏡検査。この検査は通常外来で行われます。痰が出ない場合、あるいは痰で判断ができない場合に気管支鏡と呼ばれる特殊な内視鏡を鼻から、または口から挿入して、喉から気管支の中を観察し、組織や細胞を採取します。こうやって採取してた細胞は染色して顕微鏡で調べます。

よく、気管支鏡は非常に苦しいと言われますが、必ずしもそんなことはありません。気管に物が入ると咳が出るので、それを軽くするため検査前に喉と軌道に麻酔をスプレーして行います(局所麻酔なので意識ははっきりとしています)。検査時間は約20~30分です。検査が終わった後は1~2時間休み、出血がないことが確認できればその日のうちに帰宅できます。検査に伴う危険は主に麻酔薬のアレルギーなどで、大事に至るものはほぼありません。

擦過細胞診さっかさいぼうしん

擦過細胞診さっかさいぼうしんとは、細胞をこすりとって検査する方法です。気管支鏡で気管支を覗きながら、病巣部に直接ブラシや、小さいさじのような形をした器具(キュレット)で擦り付け、細胞を付着させます。そのブラシやキュレットをスライドグラスに擦り付け、アルコールにつけて固定して標本を作り、細胞診用に提出して調べます。
これを診断するのは、上で述べたのと同様に細胞診の診断の専門医もしくは病理医です。顕微鏡で標本を調べ、形や性質などをつぶさに観察してがん細胞の有無を診断します。

経皮的針穿刺法けいひてきはりせんしほう

経皮的針穿刺法けいひてきはりせんしほうとは、病巣が抹消にあって気管支鏡が届かなかった場合や、気管支鏡検査で採取された検体が診断に十分でない場合、体の外側に手で触れるリンパ節が肥大化しているときなどに行う検査です。肺の場合はCTで病巣を見ながら行うことが多く、CTガイド下針生検とも呼ばれています。

局所麻酔をして、肋骨の間から細い針を肺の病巣に命中させ、病変の細胞を注射器で吸引するか、針にセットされたカッターで少量切り取って検体を採る方法です。検査では肺を覆っている胸膜に外から穴をあけることになるので、そこから空気が漏れて肺がしぼんでしまう気胸という合併症を起こす可能性もあり、基本的には短期入院が必要とされます。

 

このように確定診断には患者さんの状況に合わせて様々な検査方法があります。もちろんどれも100%肺がんの存在を診断することができる、というわけではないのですが、自身の自覚症状をもとに医師と相談した上でより精度の高い検査方法で診断してもらうように努めましょう。

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