肺がんをどう治す?治療方針を左右する3つの要素

肺がんの治療にあたって重要となる「治療方針」

治療方針を決定するのは医師

胸部X線写真や胸部CTスキャン、気管支鏡検査や経皮的肺穿刺法けいひてきはいせんしほうによる細胞診など、様々な検査を経て肺がんの診断が確定すると、次はどのような治療を行うか決める段階に入ります。その治療には大きくわけて外科治療(手術)、放射線治療、抗がん剤治療(化学療法)の3つがあるわけですが、それ以前にまず重要となるのが「治療方針」。ここではその治療方針の組み立てに関わる3要素について見ていきます。

肺がん治療の原則

肺がん治療の方針

肺がん治療の原則としては、組織型、病期、患者さんの身体的状態(体力)の3つの要素が治療方針を決定します。組織型とは小細胞肺がんか非小細胞肺がんかということ、病期とは肺がんの進行状況、体力とは患者さんの身体的な状態のことを指します。これらの要素を総合して勘案しなければ、それぞれの患者さんに最も適合する治療法を選択することはできません。

①組織型の違い

肺がんでは、がん細胞の組織型(病理組織型)の違いが、治療方針を大きく左右します。病理組織型とは、顕微鏡で見たがん細胞の形態の分類のことです。なぜ組織型が治療に関わるかというと、肺がんが他のがんに比べて多様な組織型が存在するためであり、組織型が異なる場合は有効な治療法も異なってきます。

そのため、治療方針を決定する上で患者さんの肺がんがどの組織型かを調べることは非常に重要になってくるのです。特に大切なのが、小細胞肺がんか非小細胞肺がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)か、という点です。これは主に放射線治療や化学療法を使った場合の治療効果が両者の間で異なることが大きな理由になります。

②病期の段階(肺がんの進行状況)

2つ目の要素は、肺がんがどこまで進行し、どの範囲まで広がっているかを示す病期です。肺がんの場合、病期はI期からⅢ期まで含まれる局所病変と、Ⅳ期にあたる全身病変に分けられます。治療方針としては、局所病変であれば外科治療、または放射線治療による局所治療を、全身病変に対しては全身化学療法を選択することになります。

③患者さんの身体的状況(各臓器機能の状態)

患者さんの身体

3つ目の要素である身体的状況とは、組織型や病期から予定される治療が、現在の体力の許容範囲内にあるかどうか、ということです。どのような治療法を選択する場面でも、治療後、ある程度のQOL(生活の質)を保持する必要があります。治療の影響で肝機能や腎臓機能が極端に低下し、治療を受ける前よりも体力が弱るといった事が起きてしまっては治療がうまくいったとは言えません。治療に関連する重篤な合併症や死亡は最低限に抑え込まなければならないのです。

そこで、糖尿病や虚血性心疾患、肝硬変や慢性肝炎などの肝機能障害、低肺機能(慢性肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患)などの病気がないか、持病がある場合はどの程度の症状なのか、といった事も治療方針の選択には重要な要素になってきます。

最終的に重要なのは「患者さんの意思」

悩む患者

上記の3つの要素の結果が揃ったところで、治療方針の決定という最終段階に入ります。この段階で重要なのは、患者さんの意思。医師が最良の治療法を選択したとしても、患者さんが治療法を理解した上で納得し、同意していなければ医師と患者さんの協力体制が崩れてしまいます。そうなると、狙い通りの治療効果を上げることは難しくなってしまいます。

最近ではインフォームドコンセント(医師の説明に対し、患者が納得して治療内容に同意すること)の概念が広く認識されるようになり、治療方針を決定するプロセスにも、患者さんの自己決定権が尊重されるようになりました。インフォームドコンセントによって医師と患者さんの相互理解が深まることは、治療において非常に有益なことといえるでしょう。

「自己決定」の意味とは

ただし、ここで注意したいのが「自己決定」の意味です。患者さんの中には自己決定とは、医師がいくつかの選択肢を提示し、その中から患者さん側が望む治療法を選ぶこと、あるいは患者さんが希望する治療法を医師に実践してもらうこと、と考えている人がいるかもしれません。これらの考え方は一見患者さんの意思を尊重しているように思えますが、医療のプロフェッショナルではない患者さんに治療方針の選択を委ねてしまうことは非常に危険です。場合によっては治療が失敗に終わる恐れもあります。

患者さんの自己決定は、医師が医学的な専門知識からみて最も患者さんにふさわしいと思われる治療方法を明確に推奨した、その段階で行われるものです。つまり、医師が最良と判断した治療法を実行するか否かを、患者さんが自分の意思で決断することが本当の意味での自己決定なのです。

 

肺がんの状況、そして患者さん自身の身体を鑑みた上で組み立てられる治療方針。それもすべて患者さんがどういった治療、そして生活を望んでいるかが最終的に重要となっていきます。あせらず、信頼出来る医師と相談しながら治療方針を決めていきましょう。

 

 

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