小細胞肺がんと非小細胞肺がん、それぞれに応じた治療方針の違いとは

肺がんの組織型による治療方針の違い

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肺がんが見つかった際に医師との相談のもと組み立てることが求められる治療方針。その治療方針の決定にあたっては「組織型の違い」「病期の段階」「患者さんの身体状態」の3点が鍵となることは以前の記事でもお話ししました。今回はその中でも「組織型の違い」、すなわち肺がんが小細胞肺がんか非小細胞肺がんかによって治療方針がどう変わってくるかを説明します。

小細胞肺がんの治療方針

小細胞肺がんの場合、どのような病気であっても基本的に化学療法が中心となります。手術が適応となるのはがんの腫瘍径が3cm以下・リンパ節転移を認めない・遠隔転移を認めない……といった場合のみとなります。その理由としては小細胞肺がんは非小細胞肺がんに比べて悪性度の高い腫瘍であるものの、抗がん剤や放射線照射に対する感受性が非常に高く、化学療法が極めて有効だからです。特に抗がん剤については奏功率が90%に達しています。

また、新しい抗がん剤の研究によって、複数の抗がん剤の併用を可能とする「多剤併用化学療法」が開発されたことも小細胞肺がんの化学療法による治療成績の向上につながりました。さらに小細胞肺がんを細かく分類すると、「限局型」と「進展型」の2種類に分けることができます。基本的に限局型小細胞肺がんに対しては化学療法と放射線線治療が組み合わされ、進展型小細胞肺がんに対しては化学療法が行われることが多くなります。

限局型小細胞肺がんの場合

放射線療法の適用について

がんの広がりが胸腔内に留まっている限局型小細胞肺がんの場合、化学療法単独で治療するよりも、多剤併用型化学療法に胸部放射線照射を加えたほうが生存率が上昇し、良好な予後が期待できることが次第に明らかになってきました。そのため、現在の限局型小細胞肺がんは、「PE療法」と呼ばれるシスプラチン(CDDP)、エトポシド(VP-16)による併用化学療法と、胸部放射線治療の併用が標準治療とされています。

ただし、これらの治療を具体的にどのように行うか、統一された見解がまだないのもまた事実です。放射線治療はいつやるのか、化学療法と同時に行うのか、あるいは化学療法と交互に行うのか、化学療法後に行うのか。また、どれくらいの量の放射線をかけるのか、照射方法はどうするのか、といった点は意見の分かれるところです。そうした状況の中でも最近徐々にまとまってきているのは、放射線照射は治療のなるべく早い時期、それも化学療法と同時に行うのが良い、とする意見です。

進展型小細胞肺がんの場合

胸郭の外に病変が広がった進展型小細胞肺がんの場合は、小細胞肺がんが全身化した状態と考えます。そのため、治療方針は小細胞肺がんであっても限局型とは異なり、非小細胞肺がんの場合と同様に考えるのが基本です。

具体的には、全身治療である多剤併用化学療法が基本的な治療法になります。現時点では、限局型小細胞肺がんの場合にも登場した「PE療法」と呼ばれるCDDP(シスプラチン)とCPT-11(塩酸イリノテカンエトポシド)による抗がん剤治療が最も効果的な治療法と考えられています。

非小細胞肺がんの治療方針

肺がんの約80%を占める非小細胞肺がんの場合は、小細胞肺がんよりも肺がんの広がり、つまり進行度である病気影響が大きいため、治療方針も多様になります。治療の選択肢が多いのは好ましいことではあるのですが、選択肢が広い分、実際の現場では治療方針の決定が困難になることもあります。

進展範囲(=病期)に応じた治療の基本方針

とはいえ、治療方針の根本には「肺がんの進展範囲が局所的であれば局所治療を選択し、全身的であれば全身治療をする」というのが基本方針としてあります。つまり肺がんの病巣が局所的な範囲に収まっている場合は、外科切除、または放射線治療が選択され、全身に広がっている場合は化学療法を選択するということになります。この原則に非小細胞肺がんを照らし合わせると、基本的には外科手術の適応になります。ただし、その前提になるのは摘出する肺の中にがん病巣が止まっており、切除によって根治が可能な場合です。

がんが肺の外へ進展し、外科切除では病巣を完全に取り除くことができない場合は、局所治療の一つではあるものの、外科切除より広範囲に治療が行える放射線治療が中心になります。この場合でも放射線の照射野の限界から、病巣が胸腔内にとどまっていることが治療の条件になります。

最近では限局型小細胞肺がんと同様に、放射線治療に化学療法を加えたほうが成績が良いことが明らかになってきました。そのため、実際には放射線治療と化学療法を併用することが多くなります。

一方、非小細胞肺がんの病巣が胸郭の外にまで広がっている場合は、がんが遠隔転移を起こし全身化していると言えるので、全身治療である化学療法が適応になります。

 

肺がんの治療方針は個々人の肺がんの状況によって変わってくるのはご理解いただけたと思います。ご自身の肺がんの状況をかんがみた上で、最適な治療方針を選択できるよう努めましょう。

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