肺がんの外科治療、その中でも標準とされる「根治手術」の目的とリスク

「外科治療」が適応と診断される時、その目的は2種類

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肺がんを罹患した患者さんが外科治療(手術)が適応と診断される場合、その目的は2通りに分かれます。1つは、手術によって肺がんの根治が可能であると判断された場合。2つ目は、肺がんによって発生した症状が差し迫って命を脅かしていたり、耐え難い苦痛をもたらしているなど、病巣を完全に切除できるにもかかわらず、症状を緩和する目的で行われる場合です。前者は「根治手術」、後者は「姑息手術」と呼ばれるのですが、主に肺がん治療で採用されるのは前者。この「根治手術」について詳しく見ていきましょう。

根治手術のプロセス

根治手術の目的はその名前からも推察できるように、肺がんを手術によって根本的に治癒させること。そのため、肺がんのできている肺を肺葉以上の範囲で切除する必要があります。その理由としては、肺がんの病巣の身を切除する「楔状切除」では切除の範囲が狭すぎるため、局所再発を起こす可能性が高く、根治手術として不完全だからです。

また、肺葉以上の範囲で切除する場合でも病巣の広がり方によっては、最大で片肺全部を取り除く必要が出てくることもあります。この手術は「肺全摘術」と呼ばれます。

リンパ節の切除も

さらに、根治手術では肺の組織そのものだけでなく、肺からリンパ液が流れを受けるリンパ節も幾つかまとめてとることになります。肺門や縦隔にあるリンパ節はがん細胞が移転しやすいので、取り残しや再発を防ぐため一緒に切除してしまうのです。

切除するリンパ節は病巣の位置によって決まってきます。肺がん細胞はリンパ節をつないで流れているリンパ流に乗って広がるのですが、その流れは川が源流から川下へ流れるのと似ています。そして、源流に当たるのが肺がんの病巣です。病巣の位置が分かればそこを起点に系統的にたどることで、自動的にがん細胞が広がっていくかが判明します。そこで、転移が心配されるリンパ節を周囲の脂肪組織と一緒に切除するのです。このリンパ節の切除は「リンパ節郭清」とよばれます。つまり、根治手術では肺がんの病巣を含む肺葉の切除とリンパ節郭清の2つの手術を同時に行うことになるわけです。これが肺がんに対する「標準根治手術」です。

根治手術の範囲に関するコンセンサス

根治手術の範囲について、現在では日本国内はもちろん、国際的にもコンセンサスが統一されています。今まで蓄積されてきた臨床例の解析や臨床試験などの結果に基づき、根治手術の方法は、細かい点での違いはあるものの、病院によって極端に考え方が異なることはありません。

ただし、現実には患者さんの肺機能・心機能の低下など、身体的な理由から標準根治手術は困難な場合は、肺葉切除すべきところを楔状切除で終えたり、リンパ節郭清を肺門だけにとどめることもあります。この手術は標準根治手術より切除したり郭清する範囲が小さいことから「縮小手術」と呼ばれますが、縮小手術ではがん細胞の取り残しの心配がどうしても残ります。ですので、患者さんの体力が許す限りは縮小手術をできるだけ避け、標準根治手術を行った方が良いことは言うまでもありません。

根治手術のリスクは?

根治手術のリスク

肺がんの標準根治手術は、数ある外科手術の中でもほぼ完成されたと言ってよい治療法です。しかし、麻酔をかけたりメスを入れたり、体にある程度の負担をかける治療法である以上、手術に伴う合併症(余病のこと)の発生が100%ないとは言い切れません。そのため肺がんの手術を受ける場合、死亡や合併症のリスクも考慮に入れておく必要があります。

肺がんの手術で考えられるトラブルで最も多いのは肺炎です。気管支と肺を触る手術のため、どうしても感染症を起こしやすいのです。2番目は術後の出血。3番目は縫合したところがほころびてしまう縫合不全が考えられます。

トラブルが起こる確率は?

では、肺がん手術にまつわるトラブルが起こる確率はどれくらいかというと、国立がんセンターの実績から言うと、例えば2007年に行われた526件の肺がん手術のうち死亡したのは0件。ここ数年ので0たを平均した時、重篤な合併症などを引き起こす確率はわずか0.3%以下に過ぎません。手術によるトラブル発生の確率は患者さんの年齢や体力によっても違ってきます。高齢だったり、糖尿病や心臓病などの併存病を持っている場合は当然リスクが高まります。こうしたリスクを考えたとしても手術によるリスクは一般的には小さいものですから、むやみに心配する必要はないと考えてください。

手術の内容について

肺がんの標準根治手術では一般的に2~3時間程の時間がかかります、出血量も少なく、ほとんどが100ml以下で済み、輸血の必要性もありません。消火器の手術とは違い、胃腸をいじることもありませんから、食事も手術の翌日からとることができるなど、患者さんにとってはかなり負担が少ない手術と言えます。退院できるのは一般的に術後約一週間以内になります。国立がんセンターのスケジュールでいうと、手術の前日に入院して、術後5日目に退院、沙和と一週間以内の全入院期間になるわけです。

 

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