肺がんの手術で「縮小切除」は無意味?見直されつつあるその役割

肺がんの手術においては「根治手術」が標準的

縮小手術について

肺がんに対する標準的な根治手術は「肺葉切除以上の肺切除」とされており、特殊な場合(直径5mmの早期がんのような)を覗くと、肺がんのできている肺葉を全て取り去ることが基本となります。これは現在世界的に認知されている「ゴールドスタンダード」と考えてよいでしょう。

しかし、近年は「縮小切除」を見直そうという機運も強く、一部の施設ではすでに縮小切除を標準的な切除法として患者さんに勧めているところも。今回はそんな縮小切除についてご紹介していきます。

縮小切除を取りまく環境の変化

肺葉切除と縮小切除を比較した臨床試験は1980年代に行われたのですが、もうすでに30年近い年月が経って、肺がん患者さんを取りまく医療環境は大きく変化しています。当時よりもずっと画質の良いCTが使われ、PETなどの新しい診断方が開発されています。また、CTによる肺がん検診などが一般化したために、資金発見される肺がんはより小型化、早期化しているのです。より小型で早期の肺がんほど、縮小切除でも「十分」治癒が期待出来る可能性が高くなるのは当然でしょう。

また、手術という外科治療をより苦痛の少ないものとして受けたいという、患者さん側の要求も強くなっています。切除範囲の小さな縮小切除が、術後の肺機能から見ると望ましいのは当然でしょう。ただ、切除範囲が小さくなるということは、肺がんを取り残す可能性も増大することを意味しています。取り残した肺がんがその場所で再発することを「局所再発」と呼びます。つまり、局所再発率に関しては大きくなるということになります。

もちろ再発は最も避けるべき問題であり、手術自体の意味を否定することにもなりかねません。そう言ったこともあって、現在縮小切除の鋼材を見直して再評価しようという流れが国際的にできているのです。

現在採用されている縮小切除

縮小切除の詳細について

Image via ロハス・メディカル Lohas Medical

現在ですでに行われているのは、高分解能CTなどで発見されるGGO(すりガラス陰影)を呈する早期肺腺がんなどは縮小切除による治療が一般化しています。これらは、縮小切除の検証が行われた1980年代には一般診療では取り圧扱われてはおらず、臨床試験の対象となっていなかった早期がんでした。実際、国立がんセンターにおいても縮小切除で切除されたこれらの早期がんに再発は全く見られておらず、この治療方針に誤りはないものと考えてよいでしょう。すでに、もう少し進行した肺がんに対しても、区域切除や楔上切除が妥当な手術方法なのかを問う臨床試験が日本・アメリカで始まっています。

そのような状況を考えますと縮小切除による肺がん治療はまだ定型化されたものではないという認識が必要です。つまり、右上葉にある3cm近い肺がんを区域切除で治癒することの精緻な妥当性はまだ確認的でいないということです。そう言った意味ではまだまだこの治療法に関しては医師・患者さんの双方が慎重な態度をもって見ることが重要と言えます。

実際上葉の場合、区域切除をしても「得をする」杯の量は実質的にそれほど大きくはなく、上葉切除であっても術後の生活にほとんど支障がないことを考えますと、局所再発の危険を増大させてまで区域切除を行うメリットがどこにあるのかが問われるからです。

縮小切除が適応となる肺がんとは?

こういった前提を踏まえて、縮小切除が適応となる肺がん・患者さんについて考えてみましょう。まず第1に考えられるのは、葉切除後の呼吸機能の低下により、手術後のQOL(生活の質)に大きな不安が生じる患者さんです。先ほど述べた体力のない高齢者や、若くても持病があって体力のないような人たちです。

第2に挙げられるのが、初期の小さな肺がんの場合。CT検査などで発見された肺がんの切除にあたっては、縮小切除がふさわしいとされる場合もあります。

特殊な手術のケース

根治手術、縮小切除といった手術において採用されるのは主に開胸法、胸腔鏡手術といった手術法ですが、それ以外の方法での肺がん手術に関してもご紹介します。

1つは「気管支形成手術」です。これは気管支の中枢側を浸潤しているがんなど、通常の手術を行うのに必要な「切りしろ」と「縫いしろ」が確保できない場合に行われます。

手技としては、気管支をがんの浸潤部よりも中枢側で切り離し、末梢柄の気管支と繋ぎあわせることになります。これによりがんの病巣を完全い切除できるだけでなく、全摘出術などが回避できることで、肺機能の温存も測れるというメリットがあります。

拡大切除という手法

もう一つは、肺の周辺組織にまで直接浸潤しているがんや、比較的進行しているがんを対象にした「拡大切除」です。浸潤を受けた肺以外の臓器を肺と一緒に切除するのが特徴です。そのため場合によっては肋骨ち筋肉の障壁のほか、左心房、脊椎、大血管などが切除されることもあります。ただし、切除する範囲が非常に広いことから、リスクが高くなるというデメリットもあります。

 

肺がんの手術にあたって、近年特に注目されている「縮小切除」。根治手術と比べた際の再発率など、まだまだデータを集めて検証する段階ではありますが、その有用性が認められて行けば、患者さんからしてもより手術後の生活をより良く過ごす選択肢が増えることにつながると言えるでしょう。

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