症状の緩和を目的とした「姑息手術」と、肺がん手術の後に待ち受ける合併症について

症状緩和が目的の姑息手術

症状緩和を目的とした手術

肺は、呼吸という生命維持に不可欠な機能を担っています。そのため、肺がんによる起動のトラブルは重篤な場合、生死に直結する問題になってしまいます。そこで必要になってくるのが、姑息手術によって症状を和らげること。

今回はそんな姑息手術、そして肺癌手術後に考えられる合併症のリスクについてご紹介していきます。

姑息手術が適応となるケースとは?

姑息手術が適応となるのは、以下のようなケースの時です。

  1. 多量の血痰や喀血が気管支動脈塞栓術(出血に関わる動脈を探し、血管をふさぐ治療)などで改善できない場合
  2. 膿胸(胸膜炎を起こし、胸に膿が溜まっている状態)や肺化膿症(肺の中で感染症が起こり、膿が溜まっている状態)を併発しており、感染への対処が不可能な場合
  3. 肋骨や肋間しんけいが浸潤され、疼痛がひどく保存的治療で改善が見込めない場合
  4. 腫瘍で起動がふさがれていることから、重篤な呼吸困難や窒息の恐れが強く、手術をすることで症状の改善が期待出来る場合

前述したように、姑息手術を行うことは多くはないのですが、肺という臓器が持つ特性から、消化器や生殖器のがんに比べると、適応になるケースは多いといえるでしょう。

術後に考えられる合併症

不測の事態に備えていても、手術に起因する余病をゼロにすることはできません。術前に心電図や肺機能検査、腎機能検査など、十分な検査を行っているのですが、これらの検査からわかるデータは、からだの機能を表す数値の本お一部です。氷山で言えば、水面に出たわずかな部分にしか過ぎません。そのため、手術を受けた患者さんのうち、率は低いのですが術後の余病である「合併症」が起こることがあります。肺がんの標準根治手術の場合、重篤な合併症が起こる率は1~5%程度であると言われています。ただし、前述したように実際の率はこれよりも低く、国立がんセンターの場合は、80歳以上の高齢者を含めた場合でも1%以下の発生率となっています。

ですので、外科治療の中で、肺がんの手術は安全性が高いのですが、それでも合併症を引き起こす要因が何かを知っておくことはとても重要です。

合併症を引き起こす要因

まず、要因の一つとしてあげられるのは、糖尿病や肝硬変、慢性肝炎などの持病です。傷の治りを悪化させ、感染症を起こしやすくなります。

喫煙は特に大きな要因

タバコが引き起こす肺がん合併症

もう一つは、喫煙者かどうかという点です。特にヘビースモーカーの場合は術後、痰が多量に出やすいことから肺炎を併発しやすくなります。喫煙者に限らず、肺炎は術後の合併症のうち最も避けたいトラブルです。肺切除後は肺の容量が減っています。そこに肺炎が重なると、残った肺の負担が多大になり、一気に呼吸不全の状態にまで悪化することがあるからです。

術後肺炎の多くは、気管支内に溜まった痰が気管支を塞いで無気肺を作り、さらに細菌感染が発生することで起こります。ですから、予防のためには痰をしっかり出すことが大切になります。理想で言えば手術前に少なくとも2~3週間は禁煙をすること、手術前は痰が出やすいように積極的に体位を変えることが必要です。

手術による直接的要因

手術よる直接的要因が引き起こす合併症

3番目にあげられるのは、手術による直接的な要因が引き金になる場合です。特に外科医が最も恐れるのが「気管支断端瘻」と呼ばれる合併症です。これは、肺葉切除以上の範囲を取り除いた場合に起こり、気管支の切り口(断端)が手術後に開いてしまうことを言います。気管支断端から空気が胸腔内に盛れるだけでなく、細菌も胸腔内に入り込むため感染症が起こりやすく、その影響で胸腔に膿がたまる膿胸という厄介な状態になってしまうのです。

また、同じ空気の漏れでも、肺胞レベルで起こる場合は「肺瘻」と呼ばれます。多くは自然の空気漏れの部分が閉じて治癒しますが。術後2週間以上経っても閉鎖しない時は再手術が必要になることもあります。

手術による間接的要因

4番目は、手術が間接的な要因となって起こる合併症です。このケースで最近目立つのが「心筋梗塞」。以前は日本人には少なかったのですが、生活様式が欧米化したことで、明確な自覚はなくても虚血性心疾患を抱えている人が増えてきています。そうした背景が心筋梗塞の増加につながっているのです。

また、肺塞栓症も増えつつある合併症です。これは血管内で血液が固まり、その固まりが血流に乗って肺に運ばれ、肺動脈を詰まらせてしまう病気です。ただし、間接的な合併症が起こるかどうかは、術前検査である程度の予測がつきます。ですので、それらの病気に適した薬剤の投与なおで予防を図ることが多くなります。

 

姑息手術、そして術後に考えられる合併症についてご理解いただけたでしょうか。特に、術後の合併症に関しては手術後の最低5年ほどのフォローアップに大きく関わってきます。はじめは2週おきに1、2回、その後通院の間隔を1ヶ月、2ヶ月と伸ばしていきます。手術によるダメージからの回復具合を見つつ徐々に間隔を伸ばしていくフォローアップを通して、患者さんは本当の意味での「肺がん完治」を目指していくということができます。

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