肺がんによる痛みを取り除く、その具体的な方法とは?

がんの痛みについて、進む解明

肺がん 痛み

がんの痛みについて、具体的には痛みの伝達や特性の働きについてなどはこれまでよく分からない部分がたくさんありましたが、最近少しづつ解明されてきました。以前の記事では何が原因で痛みが発生するか、について注目してご紹介しましたが、今回は正常な伝達過程で起こる痛みと、非生理的な神経障害性疼痛という二つの分類のがんの痛みについて着目、ご紹介します。

正常な伝達過程で生まれる痛みとは

がんの痛みは、体表に分布する体性痛、体内の臓器に生じる内臓痛のように正常な伝達過程で起こる痛みと、がんによって神経が圧迫されて起こる非生理的な神経障害性疼痛の2つに分けられます。

その中で、正常な伝達過程で生じる痛みは、科学的な刺激が電気的な刺激に変換され、神経線維を通って脊髄に伝えられます。脊髄では電気的な刺激が二次細胞にわたり、脳に伝えられます(痛みの伝達系)。さらにそのあと、脳から下向きに走る神経線維を通って、脊髄の虹細胞に痛みが伝わりにくいような仕組みが用意され、痛みの抑制が働くようになっています。したがって、痛みを取るには上向きの痛みの伝達を途中で遮断するか、下向きの痛みの抑制を強めるようにすれば良いのです。

上向きの痛みの伝達を阻止するには、消炎鎮痛薬や局所麻酔薬で皮膚表面の炎症を抑え、痛みの原因を取り除く方法があります。また、モルヒネなどの鎮痛薬や鎮痛補助薬は、痛みが一次歳ぼうから二次細胞へ伝わりにくくして、脳まで行かないようにします。モルヒネ、抗けいれん薬、抗うつ薬、抗不整脈薬、NMDA受容体拮抗薬がその役目をします。また、神経ブロックは痛みの伝達を途中で遮断します。脳からの下行性抑制系に作用する薬物は、モルヒネや抗うつ薬です。経皮的電神経刺激法や鍼灸も痛みが伝わりにくくなるように、脳の働きも高めます。

モルヒネの効きにくい神経障害性疼痛

もう一方の非生理的な神経障害性疼痛は、二次細胞が異常に興奮して、脳に痛みを伝達し続けることで発生します。二次細胞の花瓶が原因で起こる痛みであり、痛みを伝える末梢神経は途中で障害、圧迫されることで炎症を起こし、神経細胞に痛みを起こす電気的な活動が発生して神経細胞を刺激し続けることが引き金となって発生します。それがある一定の頻度になると、神経伝達機構の中の、痛みを伝える二次細胞の異常な興奮が、NMDA受容体を介して起こってくると考えられます。

肺がんの治療においては、この神経障害性疼痛をいかに防ぐかが大きなポイントとなります。この種類の痛みにはモルヒネがあまり効かず、抗うつ薬は抗けいれん薬で治療をします。しびれたり、痛んだりする場所には傷も炎症もなく、もちろん検査結果からも判定できません。画像診断でも診断することはできません。

一体どんな痛みなの?

肺がんの痛みについて

この神経障害性疼痛、患者さんの言葉を借りると、軽く触るだけでピリピリ、チクチクと電気が走るような、刺すような痛み、熱く焼けるような灼熱感、間欠的な放散痛などとも表現されます。

神経障害性疼痛は、神経の過敏症状を抑えれば和らげることができます。神経の興奮にはNMDA受容体という痛みを記憶する受容体が関わっているため、それを抑制する拮抗薬が効果的です。ケタミンは、持続皮下注射または静脈注射での投与が有効です。急激に投与すると、幻覚などの副作用が出ることもあるので慎重に使うようにします。

他には、抗うつ薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬もこれに対して効果があります。モルヒネなどのオピオイドと併用することで鎮痛効果が強まると考えられています。他にも抗けいれん薬、抗てんかん薬のクロナゼパム、カルバマゼピンも有効とされています。抗不整脈薬の塩酸メキシレチンやリドカインの持続皮下注射・静脈注射も使用されます。

下行性抑制系を賦活化する部室としては、アモキサピン、アミトリプチリンなどの抗うつ薬が用いられます。一旦過激症状が起こって、痛みが発生してしまってから治療するよりも、痛みの発生が予測できれば前もって予防的処置をとる方が患者さんの負担は少なくなります。開胸後痛や化学療法による神経障害性疼痛には、前もって予防的に鎮痛薬を投与する方法も検討されています。

痛み以外の症状に対する緩和治療

ここまでは肺がんによる「痛み」の種別とその対処について紹介しましたが、痛み以外で肺がん患者さんを苦しめるのは「息苦しさ」です。がんの病巣が肺の中の多くを占めるようになると、呼吸困難が起こってきます。気管支が病巣によって塞がれた場合にも呼吸が苦しくなり、手術による放射線性・抗がん剤性肺線維症、間質性肺炎でも呼吸が苦しくなることがあります。息苦しさがあると痛みが強く、痛みがあると息苦しさが強くなるというように、痛みと呼吸困難は密接に関係しあっています。

それでも呼吸が苦しい場合は深呼吸をし、安静にするのが良いでしょう。横になるより上半身を起こした方が横隔膜の位置が下がり、換気の効率が良くなるので楽です。座椅子や枕を積み重ねて寄りかかるようにするとちょうどいいのではないでしょうか。呼吸困難が続く場合には、酸素吸入を行います。在宅酸素療法は保険診療が認められているので、活用してみてはどうでしょう。

呼吸困難に伴う苦痛緩和の最後の手段としては、薬による鎮静法が用いられます。夜間の十分な睡眠、日中の可能な限りの意思の疎通を目的とするものです。患者さんや家族の同意と治療スタッフの了解のもと段階的に行うようにします。

 

がんの痛みについて、大別した二つのものについてご紹介、そして呼吸困難という苦痛に対する緩和医療についてご紹介しました。それぞれ当事者にとっては非常に苦しいもの、いかにして緩和して安らぎを与えることができるか、が今後のがん治療おいても変わらぬ課題といえるでしょう。

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